県南部では国策で建設された八戸臨海工業地帯があり、火力発電所、製紙工場、電気機器工場、造船所及びその関連産業が立地する。
下北半島ではむつ小川原湖周辺に国家事業の原子力関連施設の建設が続いている。核燃料サイクル施設や国際原子力機関のITER関連施設、原子力発電所が立地し、県内主要企業の日本原燃が本社を置く。他に、県内には国内で最大級の風力発電施設がある。
県内には、陸・海・空の自衛隊基地が配備され、さらにアメリカ空軍が駐留するなど重要な防衛拠点が集中している。三沢市にアメリカ軍三沢基地及び航空自衛隊三沢基地。青森市、弘前市、八戸市に陸上自衛隊駐屯地。むつ市に海上自衛隊大湊地方総監部及び護衛艦隊、八戸市に海上自衛隊八戸航空基地があり、国土の安全を守っている。
交通インフラは整備されつつある。空港は青森空港、三沢空港。主要鉄道は東北新幹線、東北本線、奥羽本線、津軽海峡線(青函トンネルにより北海道と結ぶ)。主要道路は東北縦貫自動車道弘前線及び八戸線(八戸自動車道)、国道は国道4号、国道7号が青森市を終点にして通る。また青森港、八戸港から北海道を結ぶカーフェリーや八戸港から国際コンテナ航路が就航している。
祭りはねぶたまつり、弘前ねぷたまつり、八戸三社大祭などが有名である。県内では縄文時代の遺跡が数多く出土し、三内丸山遺跡(青森市)や二ツ森貝塚、是川遺跡(八戸市)などで住居や土器及び土偶が発見されている。
他方で、国内の産業構造の転換に伴う製造業不振や公共事業の減少、中小零細企業が多く、非正規労働者の割合が高いといった構造上の問題で、県内の経済環境は非常に厳しい。県の失業率は5.9%(2008年)でワースト2位。県民の平均年収は247.6万円(現金付与額)でワースト2位。青森県の最低賃金は633円で全国値より低く(国内加重平均は713円)、有効求人倍率も沖縄県と同様の国内最低水準の0.28倍である。この影響で、県では2005年から2008年までに転入から転出を引いた年平均が-9,263人で転出超過状態にある。中でも若年層の転出が多く、特に高校卒業後、大学進学者の64.8%、就職者の54.3%、その他短大生も含め約5600人の若者が県外へ流出している。また、本県の22歳の転出は2270人で高校卒業時の18歳に次いで多い。2009年の20歳から24歳までの転出者7118人のうち60.7%は他県への就職を理由に、青森県を去っている。
また、県の財政面において独自財源が36.9%(1385億円)しかなく多くを依存財源に頼っており、先の地方交付税削減の影響で、より厳しい財政運営を強いられている
地理
県中央部の陸奥湾を東側の下北半島と西側の津軽半島が取り囲む県の形は、県章にそのまま図案化されており、その特徴的な形や本州最北端の位置関係から、全国的な認知度は高い。(財)総合初等教育研究所が平成19年に小学5~6年生を対象に実施した「社会についての基礎的知識の習得に関する調査」では、北海道・沖縄県と並び、9割以上の小学生が白地図上の青森県を認知している結果となっており、帝国書院が平成14年に小学生、平成16年に中学生を対象に実施した都道府県名認知度調査においても、北海道・沖縄県・青森県の3道県が他都道府県に比べ突出した認知度を有する結果となっている。